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からっぽな日常に色をつける

コインロッカーベイビーズ

2016年6月18日

コインロッカーベイビーズを観てきました。

村上龍の名作を宝塚歌劇団所属の演出家木村信司が自ら脚本を書き売り込み、舞台化にこき付けたという今作。主演はA.B.C-Zの橋本良亮と河合郁人。そして出演者にはROLLY芋洗坂係長等個性的な面々が揃っています。

今作が発表されてから一番楽しみだったのが演出で、木村信司という演出家が宝塚歌劇団の抱える演出家の先生の中でサイトーくんと1、2を争うくらい好きなの演出家だったからです。キムシンの代表作は「王家に捧ぐ歌」「鳳凰伝」「Ernest in Love」ですが、宝塚を好きになったきっかけの作品が「Ernest in Love」なので、キムシンの演出というのはきっと肌に合うっていうやつなんだと思います。

ただ、原作の方はあまり好みではない作品だったので、あのハシとキクをはっしちゃんと河合くんがやるのか〜なんてちょっと思っていました。見たいけど見たくない。それが観劇前のイメージでした。

 

物語は真田佑馬くん扮する駅員の「暑いなあ」という一言から始まる。1972年の夏にキクとハシはコインロッカーに捨てられ、キクは自らの泣き声で、ハシは身体が弱い故に身体に散布された薬品の匂いによって盲導犬が気付き救出される。二人は横浜のキリスト教系の孤児院で暮らしたのち、九州の炭鉱跡の島に暮らす養父母に引き取られる。彼らは孤児院で暮らす中で精神疾患を疑われ「母親の鼓動の音」を聞くという治療を受けており、主治医は「彼らはが変わったということは気付かせてはいけない」と言っていた。

ある日デパートの屋上で売れない歌手の催眠術によりコインロッカーの中での暑さの記憶を呼び起こされたハシは「実の母親を探す」ため島を出て行く。ハシを探すため養母と東京へ出てきたキクはアネモネという少女と出会う。アネモネはキクとの出会いに今まで求めていたものを見出す。

東京の薬島という社会のはみ出し者たちの集まる隔離された区域でハシとキクは再開を果たすが、ハシは「歌手になりたかった」と言いまた「僕はホモなんだ」という発言をし、ハシとキクは口論になる。

ハシは音楽プロデューサーのDの導きによりポップスターへの道を歩み始め、スタイリストのニヴァと出会う。女性と性的関係を始めてもったハシはニヴァに惹かれていく。

他方キクはアネモネに幼い頃にガゼルという男から聞いた「ダチュラ」の話を聞かせる。「ダチュラ」は「体内の抑止をする成分を消滅させる」薬で服用すると「筋肉が異常発達し破壊衝動に支配される」薬。余りにも危険なため海底深くに沈められたとのこと。

ある日Dからハシの居所を聞かれたキクはハシと母親の対面というテレビ番組が放映されていることを知る。実の母親と対面したらハシは壊れてしまうと感じたキクはハシのもとへと向かう。そしてその場で見たものとはキクの実の母親であった。キクは混乱し持っていた拳銃で母親を撃ち殺してしまう。

少年院に5年間服役することとなったキクは実習航海中に脱走をし、海底に沈むダチュラを引き上げ東京に散布しようという計画をアネモネに話す。他方ハシはバンドメンバーとの意見の食い違いなどで精神が蝕まれていった。「もう一度あの音を聞きたい」と願うハシはある日ニヴァから子供ができたと告げられ更に精神が不安定になってゆく。

服役中のキクと面会を果たしたハシは「人間の顔をした蝿を食べてから蝿が頭の中で囁く」といい「愛するものを犠牲」にした時に「あの音」が聞こえるとキクに語った。キクは今でも自分たちはあの暑いコインロッカーの中にいた時と何も変わっていないことを知る。ハシは壊れてしまった。面会時間が終わりハシが退室したときにキクは思い出す。「あの音は心臓の音だ」と叫ぶがハシに届くことはなかった……

 

 

結構な分量のある原作をどうまとめていくのかなと思っていたのですが、「あえて多くを描かない」ことでまとまりのある舞台を作り上げていたように感じました。多くを描いていない割には破綻なく描かれていて、やはりキムシンの演出は肌に合うなと思いました。そして熱のこもった演出に応えた河合くんはっしちゃんの二人も素晴らしいなと。この舞台を見た後にはっしちゃんを見るのが若干怖かったくらいには狂っていくはっしちゃんの演技が凄くて(手首を外せるんだよのシーンとか)飲み込まれないでね、と少し心配になってしまうくらいの演技を見せてくれました。舌を切る前と後では声を変えて歌っているあたりにはっしちゃんの歌に対する熱意を感じました。また河合くんは普段のキャラを封印して無口なキクを演じきっていて、原作だとキクの方が体格が良さそうなイメージなんですが、河合くんは結構小柄なのにそれを感じさせないところに河合くんの凄さを感じました。今回結構きわどいシーンを担う部分が多い河合くんですが、オス感に溢れるのかな?と思いきやわりと宝塚のラブシーンくらいの感じだったので、やはり河合くんの二次元感すごいなって思います。ラブシーンが美しい男性って少ないと思うんですが、河合くんはすっごい美しい。河合くんにしかない才能なので是非もっと河合くんに演技のお仕事を下さい。その他に目が行きがちだったのはD役のROLLY。久しぶりに生で見ました。相変わらずのええ声とギターでしたが、ビキニのシーンで体がおじいちゃんだったのが結構アレで。お年を召したんだなと謎の感慨を覚えます。またアネモネ役の昆さんが可愛かったのですが、原作のアネモネのイメージからは乖離しているので全く別物として考えてみていれば本当に可愛くて理想のアネモネだと思います。

舞台を見てから原作が無性に読みたくなって原作を購入して読み直したんですが、中学生くらいの自分が読んだ時と今読んで感じるものは全く別物なんだなとおもいました。(主に父親の影の薄さとキリスト教的な母性感と子宮とコインロッカーのあたりの解釈がきちんとできるようになったあたり)昔ほど苦手感もなくなったので他の村上作品も読み返してみようかなと思ってます。

アンジュルム コンサートツアー 2016春『九位一体』~田村芽実卒業スペシャル~

2016年5月30日 日本武道館

 

TwitterのTLとかでよく見かけるハロプロのMVは気になってちょっとずつyoutubeとかで見てたんですけど、去年の年末と今年の年始にzipでインタビュー受けてたアンジュルムをみて、「この子たちめっちゃ強い」って感想を抱きました。

 

 

 すぐにこのアルバムをiTunesで購入。楽曲めっちゃ好き〜〜!!!って興奮してたときに「たしか職場にハロプロ好きな人が居たような???」って思い出しまして、声かけますよね、スマイレージのアルバム借りますよね、ついでにアンジュルムの武道館のBD借りますよね…まさに「転げ落ちるみたいに加速して 熱い記憶忘れられない」状態で足から突っ込めばいいのに頭からスケキヨ状態でアンジュルムという清らかな湖に突っ込んでいきました。

そんなアンジュルムのコンサートに初めて行ってきました。

 

小雨の降る日本武道館に燦然と輝く九位一体の看板。

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今回チケットを取ってくださった同僚の方が、「雨が降っているから矢島舞美が来ている」とずっと言っていたのが印象的でした。

 

オープニングアクトつばきファクトリーこぶしファクトリーだったのですが、つばきファクトリーの方は顔と名前も一致していないし曲も知らないけど、可愛らしい女の子たちが大きな舞台で歌って踊っているだけで満足感で一杯…!この時から可愛いしか言っていない自分。

こぶしの方は曲は大好きな念には念(念入りver.)で会場の熱が一気に上がる上がる。ハロプロの皆さんが出ているBDを借りたんですけど、その中にアンジュルムが念には念を歌っているところがあって、後輩の曲を全力で奪いにくる先輩強い…!と思ってたんですが、本家の念には念も凄く強かった。こぶしちゃんは可愛らしい見た目に反して、歌が力強いのがとても良いです。

 

そしてOP映像が流れ、コンサートが始まるのですが、このOP映像がむちゃくちゃかっこいい。メンバーがそれぞれ絵の具のついた筆で 水に模様を描いていくのですが、色が混ざり合い最後に「ANGERME」の文字が浮かび上がるっていう映像で、はやくBDが欲しいです。

セットリスト

01. 次々続々

02. ドンデンガエシ

03. 糸島Distance

04. カクゴして!

05. 汗かいてカルナバル

06. マリオネット37℃

07. 新・日本のすすめ!

08. 夢見る15歳

09. ミステリーナイト!

10. プリーズ ミニスカ ポストウーマン!

11. 有頂天LOVE

12. シューティングスター ~ 天真爛漫

13. スマイルファンタジー

14. 交差点

15. 恋ならとっくに始まってる

16. 私、ちょいとカワイイ裏番長

17. 乙女の逆襲

18. 七転び八起き

19. 臥薪嘗胆

20. 出すぎた杭は打たれない

21. 大器晩成

22. スキちゃん

En1. 自転車チリリン(田村芽実

En2. 旅立ちの春が来た

En3. 友よ

 

もう1曲目の次々続々から控えめに言って最高。緑のレーザーが中央のステージに降り注ぎ、中央のステージが稼働式で上昇する。その中を「次々続々、次々続々…」という声と靴のザッザッっていう音が響くのが最高にゾクゾクしたし高揚感Maxでした。次々続々の曲調(EDM)好きすぎて一曲目から双眼鏡で野鳥の会しつつ右手はペンラ持ってガシガシ踊ってしまう。そして2曲目にドンデンガエシって続くセットリストの強さ…!サビの部分の左右に分かれてワンフレーズずつこぶしを上げるフリが大好きなんですけど、現場で実際にこの部分のフリができてこの時点で8300円分の価値があったような気がします。

新・日本のすすめ!/ 夢見る15歳/ミステリーナイト!/プリーズ ミニスカ ポストウーマン/有頂天LOVE のあたりのスマイレージ楽曲のあたりは本当に可愛らしいアイドルっていうのがよく似合うパフォーマンスで、特にプリーズミニスカポストウーマンのときに後ろで昔のMV流れていたのは当時からのファンの方だと最近知った自分なんかよりずっと染みるんだろうなって思いました。むしろ自分でも凄くじんわりしみちゃってちょっと泣いてしまうやつ。

そのあとのシューティングスター〜天真爛漫はめいめいと3期4期が一緒に歌っていたんだけど、それぞれがきちんとめいめいとのパフォーマンスを楽しんでいるな〜って可愛いなあ〜って見ていたらあっという間に終わってしまい、次に1期2期のスマイルファンタジー。舞台の方でやっていた曲なので聞いた事がなかったんだけど、まるっきり歌詞がスマイレージじゃん…ってなって涙が止まらなくなってしまいました。「出会ってくれてありがとう」って歌詞は反則だと思います。すべてのアイドルにはきちんと運命付けられたような苦しくて暖かい物語があると信じている運命論者なので、この曲大好きになりました。その流れからの交差点で色とりどりのペンラが漣のように揺れ、優しく会場を包み込んだかと思えば、「恋ならとっくに始まっている」で会場の温度がまたガンガン上がっていくので、泣いたり笑ったり踊ったり非常に忙しいし、一瞬たりとも飽きさせてくれない、目を離す事を許してくれない。特に激しかったのはちょいカワコールのあたり。段々楽しくなってくる。乙女の逆襲でずっと生で見たかったあいあいのバレエパートを見る事ができて満足。そしてスキちゃんでメンバーの名前をコールするのを地味に楽しみにしていたので、タケちゃんがスキちゃん!って言えて幸せ。

スキちゃんが終わりメンバーが捌けるとアンコール代わりの「めーいめい!」コール。そしてめいめいコールに応えるようにふんわりとしたオレンジ色のドレスで登場するめいめい。

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もう最高に可愛くて、こんな可愛い子が今日でアイドルを辞めてしまうんだなと思うと悲しくて仕方がなくなるんですけど、でもまたミュージカル女優としてこういう可愛らしいドレスを着て舞台上で歌うめいめいが見れたらいいなあと思うそんなステージ。

めいめいがみんなの待つメインステージにスカートの裾を翻して小走りで駆け寄るところをみるだけで涙が止まらなくなるので困ります。

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ベンチにちょこんと座るめいめいの可愛らしさよ……

旅たちの春が来たと友よでめいめいを晴れやかな顔をして送り出すメンバーとファンも凄く素敵でした。

コンサートが始まる前に「今のアンジュルムに自信しかありません」と言い切ったリーダーの和田さんの言った通りの最高のコンサートでした。

あとタケちゃんがめいめいの事ライバルだと思ってたと言い、めいめいが「めいもそう思ってたよ」と返したあたりで心の中のたけめい好きな自分が「ぎゃーーーーーー!!!!!!ありがとうございますーーーー!!!!」って叫んでるのが聞こえました。

 

ここからはコンサートにはあまり関係ない話ですが、今回のコンサートはペンライトが発売されていたので買ったのですが……

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なんかすごく大きいです。(左:A.B.C-Zのついんくるコンのペンラ)

上から撮影しているので分からないかもですが、厚みと重みがすごいです。中の電池はジャニーズのペンラはボタン電池なんですが、こちらは単四電池3本。重さが確実に違います。

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スイッチの位置も違いがあり、ジャニーズのものは右手で握った時に親指で押せるように作られているのですが、こちらは柄の底部分についており、色を変えるときはちょっと面倒な感じはあります。ただスイッチが二つ付いていて、メンバーカラーが年長から順に変化させる事も、逆の順序で変化させることも可能になっていてこのあたりは凄く性能が良いです。ただしジャニーズのコンサートのつもりで振っていると筋肉痛になるので注意が必要だなと思いました。

次回の予定としては、A.B.C-Zの夏のコンサートにいけたらなーと思っています(チケットは入金済みなので当たればのはなしです)

 

 

ボクの穴、彼の穴。

2016年5月28日PARCO劇場

 

ボクの穴、彼の穴。観てきました。

塚田くんの初主演舞台、そして初めての二人芝居。相手はアミューズの売れっ子の渡部秀くん。PARCO劇場のサヨナラ公演に、この二人のお芝居が入って、それを見ることができて良かったなあと思っています。

観劇前に代々木でぼんやりお茶飲んでたら、「塚ちゃんSASUKE出てる」って情報を見てしまい、SASUKE→穴→SASUKE??っていうハードスケジュールが頭を過ぎりました。そんな感じでドキドキしながら、PARCO劇場へ。PARCO劇場は内装がすごく素敵。開演前のベルを劇場スタッフの方がチリンチリン鳴らしてくれるのがとても良いです。

劇場内が暗くなり、双眼鏡の上げ下げでさえ音がしそうなくらいの静寂に包まれた時、

「戦争です」

という塚田くんの声から物語が始まる。

物語のあらすじは、砂漠の荒野に二つの穴がある。片方の穴は「ボクの穴」であり他方の穴は「彼の穴」二人は穴に身を潜めながら相手の出方を伺って戦争をしている。お互いに相手のことを「女も子供も殺すモンスター」だと「戦争マニュアル」に描かれた通りに、信じている。自分は人間だから相手を殺すことはしたくない、相手から「戦争をやめよう」と言ってくれる日を心待ちにしている。ある雨の日、何日も何週間も何ヶ月も孤独と戦ってきた彼らは次の月のない夜に「彼の穴」に忍び込み彼を殺し、この戦争を終わらせることを決心する。そして月のない夜に「彼の穴」に忍び込んだ。しかしそこには彼は居ない。彼の穴の中で、ボクは、彼の幸せそうな家族写真とボクの持っているものとほぼ同じ内容の「戦争マニュアル」を見つけてしまう。こんなに幸せそうな写真を持つ彼が本当にモンスターなのか?「戦争マニュアル」にはたくさんの嘘が載っていることにも気づいてしまった。互いが互いの穴で見た真実。「ボクらだけでも戦争をやめよう」という気持ちが湧き上がっていき……。

 

塚田くん演じるボク(塚田僚一)はずっと仲間からハブにされてきており、みんなの言うことを聞いて生きてきた人。この荒野にも一人で向かうよう指示をされ出て来た兵士。

渡部くん演じる彼(渡部秀)は真面目な学級委員長、でも自分はあんまり向いてないなと感じていた人。仲間の兵士を殺され、この荒野で一人になってしまった兵士。

対照的な人間二人が二つの穴の中で互いを認知し、自己を見つめる物語。具体的にどのような戦争なのかなどの描写が全くない分、戦争という一面から人間の社会で起こり得る普遍的な事象をとらえている作品だと感じました。

はじめは一人ずつ舞台上で語るのですが、中盤から後半に向けて段々とセリフが交互に交わされるようになり、後半のある一部分で二人が直接対面(互いの認知の上で/直接会ってはいない)します。彼らの体験や彼らの思いが交差する瞬間がその時だとは思うんだけど、その直接の対面もすぐに終わってしまうので、ああこれは互いの認知の上での事象なんだなと理解ができます。

 

演出のノゾエさんが、内面を見つめる的なことを仰っていたので、塚田くんも渡部くんもすごく自分の嫌な部分を見つめて、煮詰めて役作りを行ったのかなと感じました。

塚田くんが本当に最後まで「塚ちゃん」を見せずに塚田僚一さんのまま演じきっていて、カーテンコールの時に少しだけ口角が上がるところが印象的でした。

塚田くん渡部くん一週間という短い期間でしたがお疲れ様でした。

1789 バスティーユの恋人たち

東宝版の1789見てきました!

様々なフランス革命を扱った作品がある中で、国民目線の一番史実に近いような雰囲気のある作品であると思います。またヨーロッパのミュージカルらしく、舞台の前にCDが発売され、その作られた曲に合わせ舞台が作られていくため、目紛しく場が展開していくところが今までのミュージカルとは少し毛色が違うと思いました。実は「1789- Les Amants de la Bastille -」のDVDをうっかり買ってみてしまってから、宝塚月組版を見て月組版のDVDをうっかり購入してしまうくらいにははまってしまった1789ですが、帝劇で上演されると聞いて悲鳴をあげるほど嬉しかったです。

 

○あらすじ

主人公ロナンは農民の息子。重税が平民に重くのしかかる中、干ばつ等で税金の支払いが滞りそれによって「国王の名の下」においてロナンの父親はペイロール伯爵に射殺されてしまう。父を殺され、土地もなくなったロナンは妹のソレーヌに「パリへ向かい、父の仇を討つ」と告げ出て行ってしまう。一人残されたソレーヌもパリへと向かうことに。そしてパリでロナンはロベスピエールやデムーランといった革命家達と親しくなり、印刷工として働き出した。

他方王宮では、王妃マリーアントワネットが退屈な日々を紛らわすためにギャンブルに明け暮れ、国王ルイ16世は錠前作りに夢中。国王の弟アルトワ伯はマリーアントワネットとフェルゼン伯爵の関係に薄々気がついており、自身の部下のラマール達に王妃の身辺を探らせ、スキャンダルを利用し自身が国王になることを画策している。

ある日ロナンはパレロワイヤルという革命家達や娼婦の溜まり場で酔いつぶれて寝ていた。そこで、フェルゼンと王妃の密会を目撃してしまい、さらにラマール達まで現れて騒然としたが、王太子の養育係のオランプ(王妃の密会の手引きを行った)が王妃のスキャンダルを隠蔽するため、ロナンを暴漢に仕立て上げ、ロナンはバスティーユの監獄へ投獄されてしまう。

無実の罪で監獄されたロナンは、バスティーユでペイロール伯爵と出会う。印刷所で刷った革命思想の新聞を見られ、激しい拷問を受け「印刷所を教えれば、見逃してやろう」と言われる中「仲間を見捨てられない」と拒むロナンにペイロール伯爵は「お前の仲間は貴族達ほど金持ちではないプチブルジョアで、貴族たちを羨んでいる。お前達平民の気持ちなんかわかっていない」と唆される。オランプはバスティーユの火薬庫の番をしている父親に協力を仰ぎ、無実の罪を着せてしまったロナンの救出へ向かう。バスティーユからの脱獄中に、ロナンとオランプの間には少しずつ恋が芽生えていく……

王太子の死で「すべきこと」に気づいたマリーアントワネット、革命のために立ち上がる市民たち、王位のために暗躍するアルトワ伯、それぞれの思惑の中、人々は熱狂の中バスティーユの火薬庫を目指していく……

 

○感想

今回主要キャストが全てWキャストというどの組み合わせでみようか迷うやつだったのですが、まずロナンが小池徹平/加藤和樹、オランプは神田沙也加/夢咲ねね、マリーアントワネットは花總まり/凰稀かなめというキャスティング。え、これ全通り見なきゃだめなやつだよね?っていう気持ちを抑え、ロナン:加藤和樹/オランプ:夢咲ねね/マリーアントワネット:凰稀かなめで観ました。結果は大正解でした。これどの組で見ても大正解だとは思うんですけど、持ち味的に小池神田花總、加藤夢咲凰稀で分かれてる気がします。

加藤ロナンは体格の良さや全力な演技も相まってかなり熱血に見えます。が、声とか大人っぽさとかが余裕な感じや冷静なところがあるように見えて加藤和樹という人が真面目に役に取り組めば取り組むほど、ロナンの手のひら返しの多い行き当たりばったりな感じの行動に疑問が出てきてしまう。(けどフランス人だからそんな感じなのかな?)

若干ついったーとかで小池ロナンの方が少年漫画テイストと見ていましたが、加藤ロナンもかなり少年漫画だったようなきがするんですけど、それよりも夢咲オランプとの恋愛シーンが大勝訴。ヒロイン力の高い夢咲プロと体格と顔のカッコイイ加藤和樹の恋愛シーンが見られるのは1789だけ!!!!!

夢咲オランプは、ラマールたちがオランプちゃ〜〜〜〜ん♡ってなる気持ちよくわかります。聡明で機転がきくのに、初めて出会うタイプのロナンに恋に落ちてしまい、気もそぞろになってしまった可愛い女の子。その役を説得力を持って演じられるのは沙也加ちゃんとねねちゃんしかいないのでは??と思うくらいに絶妙なキャスティングだったと思います。見所はアルトワ伯に媚薬を飲まされそうになるシーンです。

凰稀マリーは本当に女優デビューなのかな???ってくらい馴染んでました。かなめさんは元々男役をやるには声質が高めで結果的にへろへろになってしまっていたので、声的には男役のときより無理のない感じでとても良かったです。あとビジュアルが最強のかなめさんが豪華さの極みのマリーアントワネットってすごいよね。Wキャストの花總マリーが少女のような無邪気さのまま自分のしたいことを選び取っていくマリーアントワネットなら、凰稀マリーはすべきことから目を背けて(意図的に見ないようにして)火遊びを楽しんでいたところに、使命を見つけてしまったマリーアントワネットで、目を背けていた分「神の裁き」の重さがその身を削いで削いで削ぎ落とされすぎて、その身一つで立っている状態。圧巻の美しさでした。(特に最後のシーン)

革命家3人(ロベスピエール:古川雄大/デムーラン:渡辺大輔/ダントン:上原理生)はバランスが非常に良く、その後の独裁者の影の見え隠れする冷たい美しさを持つロベスピエールと柔らかく暖かいお坊ちゃん感のあるデムーランと熱さと若干の女好き感の出ているダントンのトリオ最高です。以前から気になっていた上原さんを生でみてその声量の凄さに圧倒されて帰って来ました。上原さんのシーンだけもう一度みたい。嘘、ロベスピエールの三部会のマリオネットのシーンも見たい。

そもそも、どのシーンというよりは全てをもう一回見たい気持ちにさせてくれる舞台だったので、GWに当日券チャレンジを試みたい気持ちでいっぱいです。

 

ジャニーズ野球大会 東京ドームに全員集合

4月13日に東京ドームで行われた、ジャニーズ野球大会に行ってきました。
かなり近い席だったので、概ね死んでました。
塚田くんが近くに来た時よりも、坂本くんが居るのを見つけた時の方が声が大きく出てしまったあたり、刷り込み教育(学校へ行こう)って怖いなって思いました。
河合君がマッチさんにマイクを渡されJ-REDのメンバーを紹介したり、紹介終わった後につーこさんに「全然紹介しきれてないやりなおし」の刑を言い渡されマイクを持って走り回る河合君。お仕事してる河合君は格好良いし、大好きなジャニーズがたくさんいる会場でわくわくしている河合君は最高に可愛い。
塚田君はなぜかヒガシさんの身の回りのお世話をしていたり、同期のまっすーとやりとりしたり、練習をしてから臨んだけど(バッティングの方で)不甲斐ない結果に終わり試合終了時に泣いてしまい内君とまっすーによしよしされてたり…控えめに言って天使なのかな?天使ですよね。わかってました。
でも、ニノの打ったフライをそのままキャッチしたりきちんと活躍していたので、塚田くんなりに緊張したりプレッシャーを感じていたのだなと思ってまた一つ興味深さが増しました。
はっしーと五関さんも来てたけどずっと解説席でぼーっと野球見てて最高でした。五関さんと中丸くんっていう並びが見られただけで幸せです。
カウコンに続き、当たると思って申し込みはしていなかった(日程発表後すぐに半休の申請はした)ので、当選メール来た時「運をつかいすぎて死ぬのでは…?」という恐怖の方が喜びを上回る事態が発生。ジャニーズで運を使いすぎて、東宝エリザは全然チケット取れないので、死ぬ危険性は減ってるような気がします。

Shakespeare 〜空に満つるは、尽きせぬ言の葉〜/HOT EYES!

2016年の初めの宝塚は、宙組公演「Shakespeare 〜空に満つるは、尽きせぬ言の葉〜/HOT EYES!」でした。
新生宙組になって初めてのお芝居とショーの二本立て。
まず、シェイクスピアの方ですが、このシェイクスピアは生田君初の大劇場での作・演出の作品。盆やセリなどの舞台効果の利用や劇中劇の作り方など非常に好みでした。
話の内容はシンプルにシェイクスピアの人物史の中の動きが不明な数年間をエリザベス女王など様々な政治的思惑や、自身の妻アンとの夫婦愛を織り交ぜた内容。
話の主軸は「夫婦の愛」で、シェイクスピア・アン夫妻と、ジョージ・ベス夫妻、そして独身のエリザベス女王の対比で構成されていたように感じました。ジョージケアリー役の真風涼帆とベス役の伶美うららは本当にビジュアル力が控えめに言っても最高で、やわらかい雰囲気のシャイクスピア夫妻とは正反対で非常に良かったです。
ショーのHOT EYESですが、演出は藤井大介先生。宙組は一本物→大介ショー→一本物→大介ショーの呪いからはやく脱出できると良いですね(次の公演は一本物のエリザベート
主題歌は耳に残って楽しいんだけど、大介くんとは感性が合わないのか見ててスッキリしない。
大体全場に大階段出したままってどういうこと??狭くて組子全然のびのびと踊れてないし、大階段の高さで、高身長な宙組!感があまりなくもやもやしたまま終わってしまいました。
あと男役群舞は黒燕尾(せめて燕尾の形のお衣装)にしてほしいし、すっしー(組長)が群舞にいないので、オペラそっと降ろしてしまったよね。さおたさんとかすっしーとかがガッシガシ踊るのが見たいんだよ…!大介君本当頼むよ……
別に駄作ってわけではないけど、琴線に触れないショーでした。
次回の宝塚は星組のこうもりか花組のME AND MY GIRLです。
こうもりは若干迷ってるだけなのできっとミーマイに行くやつです。

カウコン

ジャニーズカウントダウンコンサート2015→2016 in東京ドーム
カウコン行ってきました〜〜
放送前にちょろっと歌わせてもらえるコーナーで、一曲目からA.B.C-Z LOVE持ってくるえびの選曲センスに痺れました。
ほぼほぼアウェイな中で「お前の愛独り占めするのは俺だけさ」って歌を歌い、他のグループのファンを奪っていく強気な感じが素晴らしいです…そしてFinally Overを二曲目に持ってきて、最後にShower Gateでしめるセットリストの無敵感
カウコン本編はひたすらバックのふぉ〜ゆ〜福田さんを双眼鏡で舐めまわしていました。福田さんの伸びやかな背筋の美しいダンスが本当に好きで双眼鏡泥棒過ぎる
膝から崩れ落ちた出来事No.1は、見てみたいコンビの3位に松潤さんと河合くんが入ったことです…河合くんがファンサもらったオタクすぎて、このまま死んでしまうのでは……?とすごく心配になりました。しばらく本気で放心していたよね……ずっとおめでとう河合くんって言ってました。周りの他G担さんたちに「おめでとうございます」って言っていただけて本当にありがたい限りでした…。
年末年始の運が良すぎたので多分早いうちに死んでしまうのでは…?と思ってます